こどもの食器にはプラスチック素材のものが好まれがちですが、熱に弱く、原料から有害物質が溶け出すリスクがあるというデメリットがあります。
子どもには安全な食器で日々の食事をしてもらいたいけれど、割れる食器はハードルが高いと感じる人も多いです。
その点、プラスチックは落としても割れにくく、ケガのリスクが低いので、特に乳幼児向けの食器として選ばれやすいですね。また、軽くて扱いやすいことや、セラミックに比べて安価で壊れても買い替えやすく、気軽に使えます。
キャラクターものやカラフルなデザインが多かったり、形状の自由度が高いのでユニークなデザインのものが多かったりもします。
今回はプラスチックに負けない、セラミック素材の食器の良さをお伝えします!
知っていますか?割れる素材の種類
割れる食器と言っても、いろいろな種類があります。
ガラス
砂や石灰石を主成分とする溶融した材料を冷却して作られ、化学的耐久性に優れていることから、ガラスびんやガラス食器などの生活用品や窓ガラスなど、多くの用途に使われています。
陶器
粘土製で温かみがあり、吸水性があります。表面がザラザラで素朴です。(例:信楽焼、美濃焼)
磁器
陶石製でツルツル&硬く、水を吸いません。表面がツルツルで光に透けます。(例:有田焼、ノリタケ)
セラミック
陶器・磁器・炻器など、広い範囲の焼き物の食器を指します。セラミックは、陶器・磁器を含む「焼き物」全般のことです。(食器・包丁・タイルなども含む)
ここでは以降、セラミックという言い方を使います。

セラミックの食器を使うメリット
大切にする心が育つ
セラミックは重みがあり、割れやすいため、自然と丁寧に扱う習慣が身につきます。結果「物を大切にする心」そして「食事の時間を大切にする意識」が育まれることになります。
生きていく上で大切な「食事」の時間を大切にすることで、こどもの豊かな生活の素地ができます。
五感を育てる(質感・音・温度を感じる)
セラミックはプラスチックよりも手触りが豊かで、陶器はザラザラ、磁器はツルツルと違いを見つけることができます。
また、スプーンが当たる時の「カチカチ」という音を体験できたり、温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たく感じやすかったりと、全身を使って食事を楽しめます。
健康面での安心感
プラスチックは劣化するとマイクロプラスチックが発生しますが、セラミックはそうした影響がありません。劣化による素材の変形や溶け出しもなく、プラスチックと比べて食品のにおいや色が染みつきにくく、衛生的です。
食事が楽しくなる(見た目の美しさ)
陶器や磁器はデザインや色のバリエーションが豊富で、食卓が華やかになります。
食卓の雰囲気も変わり、食欲も増します。

デメリットと対策
割れやすい
プラスチックの食器と比べて割れやすいです。
→子ども用の小ぶりな陶磁器や強化磁器を選ぶようにしましょう。
強化磁器は通常の磁器に比べて3倍以上の強度があります。形状的にも衝撃に強い構造で、表面劣化も起こりにくいため長期間の使用に耐えられます。さらに一般磁器に比べて耐熱性や耐酸性に優れ、傷が付きにくいなど安全性が高くなっています。
強化磁器を使ったこども用の食器もあります。
重い
プラスチックの食器に比べて重いので、こどもが持つのは少し大変です。
→持ちやすい形状のものを選ぶことで、多少の重さはカバーできます。また、筋力がつくまではプラスチック、少し力がついてきたらセラミックにするなど、成長の過程とともに変えていってもいいですね。
価格が高め
プラスチックの食器と比べると、セラミックのものは価格が高めなことが多いです。
→100均やアウトレットで安価なものが売っているので、手頃なものを探すのもおすすめです。
結論
セラミックの食器は、子どもの感覚を育て、食事の楽しさや大切さを学べるアイテムです。
安全性や割れ対策を考慮しながら、子どもの成長に合わせて取り入れてみると、食育にもつながります。
食育の目的は、
・食の大切さを学ぶ(食べ物の栄養やバランスを知る)
・健康的な食習慣を身につける(好き嫌いを減らし、食事のマナーを学ぶ)
・食べ物の背景を知る(生産者の努力や食材の旬を理解する)
・自分で食事を選べる力を育てる(健康を意識した食事の選び方を学ぶ)
・「命をいただく」感謝の心を育む(食べ物や作る人への感謝の気持ちを持つ)
などです。
現代はファストフードやインスタント食品が増え、食習慣の乱れが問題になっています。食育を通じて、健康的な食事・食の安全・食文化を学ぶことが、心と体の成長につながります。
「食べること」は一生続く大切なこと。だからこそ、子どもの頃から食育を大切にすることが重要ですね。


