公立小学校で働こうと思ったとき、私がいちばん気になったのは収入面でした。
ホームページには賃金について書かれておらず、実際の収入の想像がつきませんでした。
働き始めて数か月。
給与明細を見て思ったのは、「これ一本での生活は厳しい」ということ。
けれど一方で、「この働き方だからこその自由さ」を感じる場面も多くありました。
この記事では、公立小学校の非常勤講師として実際に働いている私が、リアルな収入の実情と、“お金だけでは測れない部分”について率直にお話しします。
ちなみにこちらでは、制度などについても説明していますので、併せてご覧ください。↓↓
非常勤講師としての勤務スタイルと仕事内容
私が勤務しているのは、公立小学校の非常勤講師(専科担当)。
病休の理科の先生の代わりに、3~5年生の理科を担当しています。
週に3日程度出勤し、1日に4~5コマ(1コマ45分)の授業を行っています。
形式上、授業だけを担当する形ですが、実際には
・授業準備
・担任との打ち合わせ
・週案の作成
・子どもへの個別対応
・成績 など、
“授業以外の時間”も意外と多く取られます。
勤務時間で言えば「短時間勤務」に見えても、教材研究や事務作業を含めると、思っていたより時間を使っている感覚があります。
実際の収入と月ごとの変動
私の地域では、1コマあたりの単価は約2,800円前後。
私の雇用条件として、受け持つ授業数に応じて「教材研究」の時間が1~2時間加算されるため、
1日4コマ×週3日+2時間で計算すると、月収はおおよそ15〜17万円ほどになります。
ただし、これは「授業がある月」の話。
夏休みや冬休みなど長期休暇中は収入がほぼゼロになるため、年間を通すと波が大きいのが実情です。
また、私の雇用条件では「ボーナスと社会保険はなし」。
頑張ってもボーナスが出ないのは少し寂しい気もします。
一方で、「時間の自由さ」「自分のペースで働ける気楽さ」は大きな魅力です。
フルタイムの教師として働いていたら捻出することが難しい、「子どもとの時間」もしっかりと確保できています。
非常勤講師の収入で生活できる?
正直に言うと、非常勤講師の収入だけで生活するのはかなり厳しいです。
月によって10万円前後、長期休みにはほとんど収入がないため、家賃や光熱費を払うと、ほとんど手元に残りません。
実際、私の周りでも非常勤講師だけで生活している人は少なく、
・家庭と両立して働く主婦の方
・他の非常勤校を掛け持ちしている方
・塾や家庭教師など、教育系の副業をしている方
が多い印象です。
私はシングルなので、元夫からの養育費を足して、日々の生活をやりくりしています。
公務員なのに副業できるの?
非常勤講師は原則として副業が認められています。
「在任校区内での塾講師」や「教育者として不適切な仕事」以外であれば、申告することでほぼ認められます。
私の場合は非常勤講師の仕事が基本週3回なので、休みの日にはライターなど在宅でできる仕事を行っています。
フルタイムで教員として勤務していた頃と比べると収入面ではかなり劣りますが(額面だと半分程度)、現在の状況を考え「心と時間に余裕を持てる働き方」は、悪くない選択だと感じています。
続けたいと思えた理由
収入面だけを見れば、正直「割に合わない」と思うこともあります。
でも、子どもたちの成長を間近で感じたり、「先生、今日の授業すごく楽しかった!」と言われた瞬間には、お金では得られない満足感があります。
また、担任のような大きな責任を負わず、教科や子どもたちと向き合う時間に集中できる点も魅力です。
正規採用として働いていた頃は毎日ほぼ12時間は職場にいて、授業以外にも学級対応・公務分掌・児童対応など様々な対応に追われていたため、心身ともに疲れたと感じることも多かったです。
それと比べて、最低限の事務対応・児童対応でしっかりと給料をもらえる現在の働き方は、かなりゆったりとしています。
受け持っている授業以外の公務は免除され、担任になることもないので疲れ具合もかなり軽いです。
プレッシャーが少なく、自分のペースで教育に関われるのは、非常勤ならではの良さだと思います。
勤務日を柔軟に変更することができるため、子どもの行事などの際に寂しい思いをさせることがない点もありがたいです。
「安定した収入よりも、心の余裕を重視したい」
そんな人にとっては、非常勤講師という働き方は合っているように思います。
まとめ
非常勤講師の収入は決して多くはありません。
ただ、時間の自由さや精神的なゆとり、子どもたちとの関わりの深さなど、お金では測れない価値があるのも事実です。
「収入は少ないけれど、思っていた以上にゆとりがあった」
「労働と収入を考えるとコスパがいい」
それが、公立小学校の非常勤講師として働いた私の正直な感想です。
子どもが小さい間は、もう少しこの働き方で頑張ってみようと思っています。





