「非常勤講師って、どのくらいの収入になるの?」
公立小学校での非常勤講師に興味を持つ方なら、気になるところだと思います。
私自身も、初めて「時給制?月収制?どんな計算になるの?」と疑問だらけでした。
教える仕事にやりがいは感じていたものの、生活の支えになるのかどうかは現実的な問題です。
この記事では、公立小学校の非常勤講師として実際に働いた経験をもとに、
- 収入の仕組み(時給・コマ単価)
- 月収・年収の目安
- 生活のリアルと感じたギャップ
について、できるだけ分かりやすく紹介します。
「これから非常勤講師を目指したい」「収入の現実を知っておきたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
↓こちらの記事では、主に私の経験を詳しく書いています。併せて参考にしてください。
公立小学校の非常勤講師とは?仕事内容と勤務スタイル
公立小学校の非常勤講師とは、担任を持たず、特定の教科や時間帯のみを担当する講師のことです。
学地域や学校によって呼び方は異なり、「時間講師」「特別講師」と呼ばれることもあります。
主な仕事は、
- 教科指導(国語・算数・英語・理科・音楽・図工・書写など)
- 少人数指導や補習
- 担任不在時の授業対応
- 授業準備や簡単な校務分担
などが中心です。基本的には、授業を担当する時間に出勤し、終われば退勤できる働き方です。
勤務時間と契約形態
勤務は「週2〜5日」程度が一般的で、
- 1日あたり2〜6コマほど
- 1コマ45〜50分程度
が多いです。
契約は教育委員会との年度契約(4月〜翌年3月)または、学期契約(1~3学期、前期後期)のことが多く、更新制となります。
そのため、学期ごとや年度末に契約が終了するケースもあり、安定性にはやや欠けます。
常勤講師との違い
常勤講師は担任業務を持ち、朝から夕方まで学校に滞在します。
一方、非常勤講師は授業がある時間だけ出勤するため、拘束時間が短い反面、給与もその分少なめです。
「フルタイムではないけれど、教育現場で経験を積みたい」
「家庭や別の仕事と両立しながら働きたい」
という人に向いている働き方です。
公立小学校の非常勤講師の収入|時給・月収・年収の目安
公立小学校の非常勤講師の収入は、基本的に「授業時間(コマ)」をもとに支払われます。
自治体によって金額は異なりますが、全国的な目安は以下の通りです。
時給・コマ単価の相場
多くの自治体では、
1コマ(45〜50分)あたり2,800円〜3,500円前後が一般的です。
たとえば、
- 1日4コマ担当 × 週4日勤務 → 週16コマ
- 1コマ3,000円 × 16コマ × 4週間
とすると、月収はおよそ19万円前後になります。
ただし、授業がない日(行事や長期休暇期間など)は給与が発生しない点に注意が必要です。
月収・年収の目安
非常勤講師の年収は、勤務日数や授業数によって大きく変わります。
代表的なケースをいくつか挙げます。
| 勤務パターン | 月収(目安) | 年収(目安) | コメント |
|---|---|---|---|
| 週2日勤務(8〜10コマ) | 約10〜12万円 | 約100〜120万円 | 家庭との両立に向く |
| 週4日勤務(15〜18コマ) | 約18〜20万円 | 約180〜200万円 | 比較的安定した収入 |
| 週5日フル近く勤務(20〜22コマ) | 約22〜24万円 | 約220〜250万円 | 生活費の中心にできるレベル |
※自治体・教科・経験によって上下あり。
※夏休みなど長期休暇期間は、支給額が減る、またはなくなる場合が多い。
ボーナス・手当の有無
非常勤講師には基本的にボーナスや退職金はありません。
交通費は支給される場合が多いものの、社会保険(厚生年金・健康保険)については勤務日数が一定以上でないと加入できないことが多いです。
そのため、安定収入を得るというより、「自分の時間を確保しながら働く」スタイルに向いています。
実際に働いて感じたリアル
私が勤務していた自治体では、1コマ約2,800円。
週3日・1日4~5コマの勤務で、月に20万円弱ほどの収入でした。
授業時間以外は校務分担もほとんどなく、早めに帰宅できる点は魅力でしたが、「長期休暇の期間はほぼ収入ゼロ」になるため、年間を通じた生活設計には工夫が必要だと感じました。
非常勤講師という働き方のメリット・デメリット【収入面のリアル】
公立小学校の非常勤講師は、「フルタイムで働かなくても教育現場に関われる」という魅力があります。
一方で、収入面では安定とは言いがたい現実もあります。
ここでは、実際に働いて感じたメリット・デメリットを整理します。
メリット1:自分のペースで働ける
非常勤講師は、基本的に授業のある時間だけ出勤すればOK。
授業が終われば早めに帰宅でき、家庭の時間や自分の勉強時間を確保しやすい働き方です。
たとえば、「子育て中」「別の仕事と掛け持ちしたい」という人にはぴったりです。
私自身も3人の子育てをしつつ、ライターとしての仕事もしながらでも、続けることができています。
また、人手不足が深刻な地域が多く、働きたいと思ったらすぐに仕事が見つかります。
働く側の条件を汲んでくれ、こちらの求める時数や働き方を選べるところもメリットです。
メリット2:副業が可能
基本的に公務員は副業が禁止されています。
ほかにやりたい、チャレンジしたいと思っている仕事があっても、他からの収入を得ることはできません。
一方、非常勤講師は申告さえしておけば、ほとんどの副業が可能になります。
(一部、できない仕事もあるため確認必須)
メリット3:教育現場の経験を積める
担任を持たない形で現場に立てるため、教育スキルを磨きたい人や教員採用試験を目指す人にとって貴重な実践の場になります。
非常勤講師の経験をもとに、翌年に常勤や正規教員にステップアップする人も少なくありません。
デメリット1:収入が不安定
一番のデメリットはやはり収入の変動の大きさです。
授業がない日や長期休暇(夏休み・冬休みなど)は給与が発生せず、年間を通して月収が一定しません。
普段は月18万円の収入があっても、8月はゼロというケースも珍しくありません。
また、病休の代替などで入った場合は、休んでいた方が戻ってくるとまた次の仕事を探さなければなりません。
仕事の条件が頻繁に変わるので、その点でも不安定さがあります。
デメリット2:ボーナス・社会保険がつかない
非常勤講師は非常勤職員扱いのため、ボーナス・退職金・厚生年金などが支給されないケースがほとんどです。
そのため、扶養の範囲内で働く人や副収入を得たい人には向きますが、非常勤のみで生活を成り立たせるのはやや厳しいのが現状です。
向いている人の特徴
- 教育の現場に関わりたい
- 家庭・学業・副業との両立をしたい
- 正規教員へのステップとして経験を積みたい
- 収入よりも“教えるやりがい”を重視したい
非常勤講師という働き方は、「安定よりも柔軟」「収入よりも経験」を重視したい人に向いています。
非常勤講師をして感じた収入と働き方のリアル
非常勤講師として働いてみて感じたのは、これ一本で生活するには厳しいということです。
月々の収入は決して多くなく、夏休みなどは無収入になる時期もあり、非常勤講師だけでは不安定だというのが素直な実感です。
けれどその一方で、子どもたちの成長を間近で感じられる日々は、何ものにも代えがたい時間です。
教えることで、自分も学び続けられる
非常勤講師は、授業準備や子どもとの関わりの中で、自分自身も常に学び続ける仕事です。
限られた時間で授業を工夫したり、子ども一人ひとりに寄り添ったり――毎日が小さな挑戦の連続で、その積み重ねが確実に自分を成長させてくれました。
授業の進め方や子どもとの関係づくりなど、現場で学んだことは他の仕事にも応用でき、収入以上の価値があるとも思います。
まとめ:非常勤講師という選択は、“経験への投資”
公立小学校の非常勤講師は、収入の面では決して恵まれてはいません。
しかし、教育現場で働きたいけれど、フルタイムでは難しいと感じている人にとっては、柔軟に仕事を選べる良い働き方と言えます。
また、「教育に携わりたい」「現場で経験を積みたい」という人にとって、この働き方は大きな学びの場であり、未来への投資です。
安定よりも成長を求める人にとって、非常勤講師という仕事は意味のある一歩になるでしょう。





