正規教員と非常勤講師の主な違い
私は約10年間、正規教員として働いた後に非常勤講師として勤務しました。
実際に両方を経験してみると、「授業をする」という共通点はあるものの、仕事内容や責任の範囲には大きな違いがあると感じました。
特に違いを感じたのは、学級担任業務や保護者対応、会議、校務分掌の有無です。
まずは主な違いを表にまとめてみます。
| 項目 | 正規教員 | 非常勤講師 |
|---|---|---|
| 授業 | 〇 | 〇 |
| 学級担任 | 〇 | × |
| 保護者対応 | 〇 | × |
| 会議 | 〇 | × |
| 校務分掌 | 〇 | × |
| 通知表作成 | 〇 | △ |
| 授業準備 | 〇 | 〇 |
もちろん自治体や勤務形態によって異なりますが、私の場合はこのような違いがありました。
そのため、かなり負担は軽くなったと感じています。
ただし、「授業をする責任」がなくなるわけではありません。非常勤講師には非常勤講師ならではの大変さもありました。
授業の違い
授業については、正規教員と非常勤講師で大きな違いはありません。
私は理科専科として4年生と5年生の計6クラスを担当していました。
授業を行う以上、教材研究や授業準備は欠かせません。
ただし、非常勤講師になって良かったと感じたのは、授業に集中しやすいことです。
正規教員時代は学級経営や保護者対応、校務分掌などさまざまな業務を抱えていました。
一方で非常勤講師は授業が中心です。
そのため、「子どもたちにどう興味をもってもらうか」「どんな発問をすると考えが深まるか」といった授業づくりに時間を使うことができました。
また、同じ学年の複数クラスを担当していたため、一度教材研究を行えば他のクラスでも活用できます。
これは非常勤講師の大きなメリットだと感じました。
ただし、その分「しっかり準備しなければ」という責任感もありました。
授業数が少ないからこそ、一つひとつの授業を丁寧に作ろうという意識は正規教員時代以上に強くなりました。
会議や校務分掌の違い
正規教員と非常勤講師で最も大きな違いを感じたのは、会議や校務分掌の有無です。
正規教員時代は、放課後に職員会議や学年会、校内研修などがありました。
また、運動会や学習発表会などの学校行事の準備、委員会活動の担当、校内のさまざまな役割など、授業以外の仕事も多くありました。
一方で、私が勤務していた学校では、非常勤講師は会議への参加がありませんでした。
校務分掌もなく、学校行事の運営を担当することもありません。
そのため、勤務時間のほとんどを授業や授業準備に使うことができました。
正規教員時代は、授業準備をしたいと思っていても、会議や校務分掌の仕事に追われて思うように時間が取れないことも少なくありませんでした。
しかし非常勤講師になると、授業に関する仕事へ集中しやすくなります。
もちろん、その分だけ授業の質が求められるというプレッシャーはあります。
それでも、「授業づくりに集中できる環境」という点は、非常勤講師の大きなメリットだと感じました。
実際、私自身の仕事量を比較すると、非常勤講師になってからは正規教員時代の半分以下になった感覚があります。
その理由の多くは、会議や校務分掌がなくなったことによるものでした。
保護者対応の違い
私が非常勤講師になってありがたかったのは、保護者対応がほとんどなかったことです。
正規教員時代は、連絡帳の確認や電話対応、個人懇談など、保護者との関わりが日常的にありました。
もちろん保護者との連携は子どもの成長を支えるうえで大切な仕事です。
しかし、その分時間や気力を使う場面も少なくありません。
連絡帳への返信を書いたり、放課後に電話対応をしたり、保護者からの相談に対応したりと、授業以外にもさまざまな業務がありました。
一方、非常勤講師は保護者対応はほとんどありません。
保護者から直接連絡を受けることもなく、個人懇談や電話対応を担当することもありませんでした。
そのため、勤務時間中は授業や授業準備に集中することができました。
正規教員時代は、「授業が終わったら次は保護者対応」という日も珍しくありませんでしたが、非常勤講師になってからはそうした業務がなくなり、精神的な負担も大きく減りました。
もちろん、保護者対応がないからといって、子どもへの責任がなくなるわけではありません。
授業中の子どもたちの様子や気になることがあれば、担任の先生へ伝える必要があります。
非常勤講師は保護者と直接やり取りをする立場ではありませんが、子どもたちを支えるチームの一員であることに変わりはないと感じました。
残業時間・仕事量の違い
正規教員と非常勤講師を比較したとき、私が最も大きな違いを感じたのは仕事量でした。
あくまで私個人の感覚ですが、非常勤講師になってからの仕事量は、正規教員時代の4割程度になったように感じています。
もちろん授業準備や教材研究は必要ですし、授業を行う責任もあります。
しかし、正規教員時代に多くの時間を使っていた仕事がなくなったことで、全体の負担は大きく減りました。
正規教員時代は授業以外の仕事が多かった
正規教員として働いていた頃は、授業だけで一日が終わることはありませんでした。
学級経営、保護者対応、会議、校務分掌、学校行事の準備、通知表作成など、授業以外にも数多くの仕事があります。
放課後は会議や打ち合わせが入り、その後に授業準備を行うことも珍しくありませんでした。
「子どもたちが下校してからが本番」と感じる日もあったほどです。
非常勤講師は授業に集中しやすい
一方で非常勤講師になると、会議や校務分掌、保護者対応などの業務がなくなりました。
そのため、勤務時間の大半を授業と授業準備に使うことができます。
私の場合は理科専科として勤務していたため、教材研究をした内容を複数のクラスで活用できるというメリットもありました。
もちろん準備は必要ですが、一から何度も作り直す必要がないため、効率よく進められる部分もありました。
仕事量が減っても責任が軽くなるわけではない
ただし、仕事量が減ったからといって気持ちまで楽になるわけではありません。
非常勤講師には非常勤講師なりの責任があります。
特に私は、「限られた授業時間だからこそ、一時間一時間を大切にしたい」という気持ちが強くなりました。
授業が子どもたちにとって分かりやすかったか、興味をもてる内容だったかを考えることは、正規教員時代と変わりません。
働き方を見直したい人には選択肢の一つ
私自身、産休・育休後の復帰先として非常勤講師を選びました。
正規教員時代と比べると仕事量は大幅に減り、家庭との両立もしやすくなりました。
もちろん収入や雇用の安定性など、正規教員には正規教員の良さがあります。
しかし、「教員の仕事は続けたいけれど、今は働き方を少し変えたい」と考えている人にとって、非常勤講師は一つの選択肢になるのではないでしょうか。
実際に両方経験して感じたメリット・デメリット
私は約10年間正規教員として働いた後、非常勤講師として勤務しました。
どちらにも良い点と大変な点があり、「どちらが良い」と単純に比較できるものではないと感じています。
ここでは、実際に両方を経験して感じたメリットとデメリットをまとめます。
非常勤講師のメリット
授業に集中しやすい
非常勤講師になって最も良かったと感じたのは、授業に集中できることです。
会議や校務分掌、保護者対応がないため、教材研究や授業準備に時間を使いやすくなりました。
「もっと分かりやすい授業にするにはどうしたらよいか」を考える余裕ができたのは大きなメリットでした。
家庭との両立がしやすい
私自身、産休・育休後に非常勤講師として復帰しました。
正規教員時代と比べると勤務時間や仕事量が大幅に減り、家庭との両立がしやすくなったと感じています。
子育て中の方にとっては大きな魅力ではないでしょうか。
精神的な負担が軽くなった
学級担任業務や保護者対応がないことで、精神的な負担も減りました。
もちろん授業への責任はありますが、「学級全体を背負う」というプレッシャーはなくなったように感じます。
非常勤講師のデメリット
子どもとの関わりが限定される
非常勤講師は授業を中心に子どもたちと関わります。
そのため、学級担任のように毎日じっくり関わることはできません。
子どもの成長を継続的に見守りたい人にとっては、少し物足りなく感じるかもしれません。
学校運営に関わる機会は少ない
会議や校務分掌がないことはメリットでもありますが、その分学校全体の動きが見えにくくなることもあります。
学校づくりや学年経営に深く関わりたい人には物足りなさを感じる場合もあるでしょう。
雇用や収入が不安定になりやすい
自治体や勤務条件にもよりますが、非常勤講師は正規教員と比べて雇用や収入の面で不安定になりやすい傾向があります。
働き方の自由度が高い反面、将来設計を考えるうえでは確認しておきたいポイントです。
気になる方はこちらの記事もご覧ください!

私はどちらにも魅力があると感じている
実際に両方を経験して感じるのは、正規教員と非常勤講師は「優劣」ではなく「働き方の違い」だということです。
子どもたちと深く関わり、学級経営や学校運営にも携わりたいなら正規教員。
授業を中心に働きながら、家庭との両立や自分の時間も大切にしたいなら非常勤講師。
それぞれに向いている人がいると思います。
私自身は、子育て中というライフステージを考えたとき、非常勤講師という働き方を選んで良かったと感じています。
まとめ
正規教員と非常勤講師のどちらも経験して感じたのは、「同じ教員でも働き方は大きく異なる」ということです。
非常勤講師になると、会議や校務分掌、保護者対応などの業務は大幅に減ります。そのため、授業や授業準備に集中しやすくなり、家庭との両立もしやすくなりました。
一方で、授業への責任がなくなるわけではありません。子どもたちとの関係づくりや授業づくりには、非常勤講師ならではの難しさもあります。
私自身、約10年間正規教員として働いた後に非常勤講師になりましたが、仕事量は大きく減った一方で、「限られた時間の中で良い授業をしたい」という思いは変わりませんでした。
正規教員と非常勤講師のどちらが良いかは、人それぞれのライフステージや働き方の希望によって異なります。
もし今、働き方に悩んでいるのであれば、それぞれの特徴を知ったうえで、自分に合った選択肢を考えてみてください。
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