小学校の非常勤講師として採用が決まると、
「教材研究って何をすればいいの?」
「教科書を読むだけで大丈夫?」
「授業準備にはどれくらい時間がかかるの?」
と不安になる方も多いのではないでしょうか。
私自身、正規教員として約10年間勤務した後、理科専科の非常勤講師として働きました。
非常勤講師になる前は、「正規で働いていたときよりも時間があるし、教科書や指導書を読めば何とかなるだろう」と考えていました。
しかし実際に働いてみると、やはり教材研究には時間がかかりました。
教材研究とは、授業内容を理解するだけでなく、「子どもたちにどう教えるか」を考える準備のことです。
特に理科は実験や観察が多いため、授業内容を理解するだけでなく、子どもたちが興味をもてる授業にする工夫も必要です。
この記事では、私が理科専科として実際に行っていた教材研究の進め方を紹介します。
教材研究で一番大切なのは教科書を読むことだけではない
教材研究というと、
「まずは教科書を読むこと」
をイメージする方が多いと思います。
もちろん教科書を読むことは大切です。
私もまずは教科書と教師用指導書を確認していました。
ただ、実際に時間がかかったのは教科内容を理解することではありませんでした。
理科の内容は教科書や教師用指導書を読めば理解できます。
本当に難しかったのは、
「どうすれば子どもたちが興味をもってくれるか」
「どう問いかければ考えたくなるか」
を考えることでした。
教材研究は単なる予習ではなく、子どもたちにとって分かりやすく、楽しい授業をつくるための準備なのだと感じています。
私の教材研究の流れ
年間指導計画と授業進度を確認する
まず確認していたのは年間指導計画です。
現在どこまで授業が進んでいるのか。
今後どの単元を扱うのか。
特に3学期は進度調整が必要になるため、年間を見通しておくことは欠かせませんでした。
年度途中から採用された場合は、なおさら確認が必要です。
教科書と教師用指導書を読む
次に確認するのが教科書と教師用指導書です。
非常勤講師になったばかりの頃は、採用が決まってすぐに授業だったので、教師用指導書をかなり活用しました。
授業の流れや発問例、実験の手順などが詳しく書かれているため、とても心強かったです。
正直に言うと、最初の頃はほぼそのまま使っていました。
慣れてくると、
「この発問の方が考えやすそう」
「ここは別の例の方が伝わりそう」
と感じる場面も増え、自分なりにアレンジできることが増えました。
それでも実験方法やまとめ方については、今でも参考にしています。
実験や観察の有無を確かめる
理科専科として特に大切だったのが実験や観察の確認です。
必要な器具はそろっているか。
人数分用意できるか。
安全面で気を付けることはないか。
こうしたことを事前に確認していました。
また、直前になって材料や器具がない!ということにならないように、先を見越して準備しておくことも大切です。
実験がある単元は、授業内容を考える以上に準備に時間がかかることも珍しくありませんでした。
授業ノートを作る
私はテストや復習の時間以外は、ほぼ毎時間授業ノートを作っていました。
子どもたちが実際に書くノートと同じように、
・どんな内容を書くのか
・どの順番で進めるのか
・どんな発問をするのか
・どこで実験を入れるのか
を書き込んでいました。
頭の中だけで授業を組み立てていると、
「時間が足りなかった」
「説明が分かりにくかった」
ということが起こりやすくなります。
そのため、事前に授業の流れをノート上でシミュレーションするようにしていました。
今振り返ると、この授業ノートが私にとっての簡易的な指導案だったと思います。
発問を考える
教材研究の中で私が最も悩んだのは発問です。
理科は子どもたちが
「なぜだろう?」
「やってみたい!」
と思えるかどうかで授業の雰囲気が大きく変わります。
興味をもってもらえれば、子どもたちは自然と考え始めます。
しかし興味を引けなかった場合、
「何を学ぶ授業なのか」
が伝わりにくくなり、授業が進めづらくなることもありました。
そのため私は、
「どんな問いかけなら考えたくなるだろう」
ということをよく考えていました。
ちゃんと「まとめ」にたどり着く、興味の湧く発問は考えるのに時間が必要でした。
今思えば、教材研究の大半は発問づくりだったように感じます。
予備実験は必ず行う
理科専科として働く中で、必ず行っていたことがあります。
それが予備実験です。
理科では実験のある授業が多く、子どもたちが実際に教室や理科室で実験を行います。
教科書通りに進めれば成功すると思っていても、実際にやってみるとうまくいかないことがあります。
器具の状態や環境によって結果が変わることも珍しくありません。
そのため私は、本番前に必ず自分で実験を行っていました。
予備実験では、
・準備物の確認
・実験結果の確認
・失敗しやすいポイントの確認
・必要な時間の確認
を行っていました。
このおかげで授業中のトラブルを減らすことができたと思います。
教材研究は勤務時間だけでは終わらなかった
教材研究は主に学校の空き時間に行っていました。
私の場合、教材研究のための時間も勤務時間内に設定されていました。
ただし、時給が発生する教材研究の時間は週2時間でした。
もちろん、その時間だけで授業準備が終わることはありません。
授業ノートを作ったり、予備実験をしたりしていると、どうしても時間が足りなくなります。
そのため、自宅で教材研究を行うこともありました。
非常勤講師は「授業だけの仕事」というイメージを持たれがちです。
しかし、実際には授業の裏側で多くの準備を行っています。
私自身、授業以外で最も時間を使っていたのは教材研究でした。
初めて非常勤講師になる人へ伝えたいこと
教材研究と聞くと、
「完璧な授業を作らなければ」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、最初から完璧な授業をするのは難しいものです。
私自身も、思い通りにいかなかった授業はたくさんありました。
まずは、
・教科書を読む
・教師用指導書を確認する
・次の単元を理解する
ところから始めれば十分だと思います。
経験を積む中で、自分なりの授業スタイルや教材研究の方法が少しずつ見つかっていきます。
焦らず、一歩ずつ進めていけば大丈夫です。
教材研究で悩んだら教師用指導書を使って大丈夫
初めて非常勤講師になる方の中には、「オリジナルの授業をしなければ」と考える方もいるかもしれません。
しかし私は最初の頃、教師用指導書をかなり活用していました。
むしろ大切なのは無理にアレンジすることではなく、子どもたちに分かりやすく授業を届けることです。
まずは授業を行い、自分のやりやすい型を見つけていくと良いと思います。
まとめ
小学校非常勤講師の教材研究は、単に教科書を読むだけではありません。
年間指導計画を確認し、教科書や教師用指導書を読み、授業の流れや発問を考え、必要に応じて予備実験も行います。
私自身、理科専科として働く中で最も時間を使ったのは教材研究でした。
特に発問づくりや予備実験は、授業の質を大きく左右すると感じています。
これから非常勤講師として働く方は、最初から完璧を目指す必要はありません。
まずは教科書と教師用指導書を味方につけながら、少しずつ自分なりの教材研究の方法を見つけていってください。




