「小学生の子どもが、毎日宿題に時間がかかる」
「宿題を始めたのに、なかなか終わらない」
「ほかの子はもっと早く終わっているのでは?」
お子さんの宿題にかかる時間が気になっている保護者の方もいるのではないでしょうか。
宿題に時間がかかると、「集中力がないのかな?」「やる気がないのかな?」と思うかもしれません。
しかし、宿題がなかなか終わらない原因は、集中力だけとは限りません。
問題を理解するのに時間がかかっていたり、文字を書くことに時間がかかったり、わからない問題で手が止まっていたりと、子どもによって理由はさまざまです。
私は現在、小学校で勤務しています。
子どもたちの学習の様子を見ていると、同じように「勉強に時間がかかる」ように見えても、その原因は一人ひとり異なると感じます。
この記事では、小学生の宿題に時間がかかる主な原因と、家庭でできる対策について紹介します。
小学生の宿題に時間がかかるのはなぜ?
宿題に時間がかかる理由は、一つとは限りません。
「なかなか終わらない」という結果は同じでも、その途中で何に時間がかかっているのかは子どもによって異なります。
まずは、よくある原因を見ていきましょう。
問題を理解するのに時間がかかる
宿題をしているとき、問題文を読んでからなかなか手が動かない場合があります。
大人から見ると簡単そうな問題でも、子どもにとっては、
「何を答えればいいのかわからない」
「問題の意味がよくわからない」
「どうやって解けばいいのかわからない」
という場合があります。
特に文章問題では、問題文を読むだけでも時間がかかる子もいます。
この場合、子どもが怠けているわけではなく、問題を理解することに時間がかかっている可能性があります。
宿題をしている様子を見て、問題を読んでいる時間が長いのか、それとも答えを書くところで止まっているのかを見てみるとよいでしょう。
文字を書くのに時間がかかる
宿題の内容は理解していても、文字を書くこと自体に時間がかかる子もいます。
例えば、
- 一文字ずつゆっくり書いている
- 漢字を書くのに時間がかかる
- 文字の形を何度も確認している
- 鉛筆を動かすことに時間がかかる
などです。
特に漢字練習は、同じ漢字を何度も書くため、書くことが苦手な子にとっては時間がかかりやすい宿題です。
また、「きれいに書かなければならない」と思い、何度も書き直している子もいます。
宿題に時間がかかっているときは、問題を解くことに時間がかかっているのか、それとも書くことに時間がかかっているのかを分けて考えることが大切です。
わからない問題で手が止まってしまう
宿題の中にわからない問題があると、その一問で長い時間止まってしまうことがあります。
「考えてもわからない」
「間違えたくない」
「どうすればいいかわからない」
という状態になると、その先に進めなくなってしまい、同じところでずっと悩んでいる場合もあるでしょう。
また、一つの問題で手が止まることで、その後の宿題に取り組む時間が短くなり、結果的に全体が終わるまで長時間かかってしまうこともあります。
一つひとつを丁寧にやりすぎている
宿題に時間がかかる子の中には、真面目で丁寧な子もいます。
例えば、
- 少しでも文字が曲がると書き直す
- 漢字の細かい部分まで何度も確認する
- 計算の途中で何度も見直す
- 一つ終わるたびに何度も確認する
といった様子が見られることがあります。
もちろん、丁寧に取り組むことは悪いことではありません。
しかし、少しの間違いや文字の形が気になって何度もやり直していると、宿題にかなり時間がかかってしまいます。
「遅い」と感じたときには、集中力ややる気だけでなく、丁寧に取り組みすぎていないかを見ることも大切です。
途中で気が散ってしまう
宿題を始めているものの、途中で何度も別のことに気を取られてしまう場合もあります。
周りの音やおもちゃ、テレビ、兄弟姉妹などが気になり、何度も手が止まってしまうこともあるでしょう。
また、特に気になるものがなくても、
「急に遊びたくなった」
「別のことを思い出した」
など、途中で気持ちが宿題から離れてしまう子もいます。
宿題を始めてから何度も手が止まっている場合は、集中が続きにくいことも原因の一つかもしれません。
子どもが集中できないことについて詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてください。

疲れていて宿題に取り組みにくい
子どもは学校で一日を過ごしたあと、家に帰ってから宿題をします。
授業を受けたり、友達と過ごしたり、休み時間に遊んだりと、学校では一日を通して多くのことをしています。
そのため、その日の疲れ具合によっては、いつもより宿題に時間がかかることもあります。
昨日はすぐに終わったのに、今日はなかなか終わらないということがあっても、不思議ではありません。
特に、運動会などの学校行事や疲れることがあった日や、体調がすぐれない日には、宿題が進みにくいこともあるでしょう。
毎日同じように時間がかかるのか、それとも特定の日だけ時間がかかるのかを見ることも大切です。
まずは「どこに時間がかかっているか」を見てみよう
宿題に時間がかかると、つい、
「早くしなさい」
「まだ終わらないの?」
と言いたくなることもあるでしょう。
しかし、まずは急かす前に、お子さんがどこで時間を使っているのかを見ることをおすすめします。
例えば、
- 問題文を読む時間が長い
- 問題を見てから手が止まっている
- 一文字書くのに時間がかかっている
- 消しゴムを何度も使っている
- わからない問題で止まっている
- 宿題の途中で何度も別のことをしている
などです。
同じように「宿題に1時間かかる」場合でも、何に時間を使っているのかによって、必要な対応は異なります。
例えば、文字を書くのに時間がかかっている子に「もっと集中しなさい」と言っても、あまり解決につながらないかもしれません。
一方、何度も席を立ったり、途中で遊び始めたりしている場合には、宿題への取り組み方を工夫する必要があるでしょう。
「宿題に時間がかかる」という結果だけを見るのではなく、その途中の様子を見ることで、お子さんに合った対策を考えやすくなります。
宿題に時間がかかるときに家庭でできる対策
ここからは、家庭でできる対策を紹介します。
すべての方法がお子さんに合うわけではありません。
まずは、お子さんがどこで時間を使っているのかを見ながら、できそうな方法から試してみてください。
できるだけ急かさず、原因を確認する
宿題がなかなか終わらないと、親としても気になってしまいます。
「早く終わらせてほしい」
「いつになったら終わるの?」
と思うこともあるでしょう。
しかし、何度も急かされることで、かえって焦ってしまい、さらに時間がかかる子もいます。
まずは、
「どこで困っているのかな?」
「この問題が難しいのかな?」
と、お子さんの様子を見てみましょう。
問題が難しいのか、書くことに時間がかかるのか、途中で気が散っているのかによって、対応は変わります。
原因を確認することが、対策を考える第一歩です。
宿題を小さく区切る
宿題がたくさんあると、子どもにとっては「いつ終わるのかわからない大きな仕事」のように感じることがあります。
そのような場合は、
「まずは計算を5問」
「漢字をここまで」
「10分だけ」
など、小さく区切ってみるのも一つの方法です。
一つずつ終わらせることで、「ここまでできた」という達成感も得られます。
特に、長い時間宿題に取り組み続けることが難しい子には、最初から「全部終わるまで頑張ろう」と考えるより、小さな目標を作ったほうが取り組みやすい場合があります。
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わからない問題はいったん飛ばす
一つの問題で長時間悩んでしまう場合は、いったん飛ばして次の問題に進む方法もあります。
もちろん、すぐに答えを教える必要はありません。
しかし、何分も同じ問題の前で手が止まっている場合には、
「できる問題からやってみようか」
と声をかけることもできます。
先にできる問題を終わらせることで、宿題全体が進みやすくなります。
わからない問題は、最後にもう一度考えたり、学校で先生に聞いたりする方法もあるでしょう。
書くことに時間がかかる理由を考える
文字を書くことに時間がかかっている場合は、単純に「早く書きなさい」と言うだけでは解決しないことがあります。
例えば、
- 文字をきれいに書こうとしている
- 間違えるたびに書き直している
- 漢字を思い出すのに時間がかかる
- 鉛筆を動かすことに時間がかかる
など、理由はさまざまです。
特に、何度も消しゴムを使っている場合は、完璧に書こうとしている可能性もあります。
お子さんが何に時間をかけているのかを見ることで、家庭でできるサポートも考えやすくなるでしょう。
宿題をする時間帯を見直す
子どもによって、宿題に取り組みやすい時間帯は異なります。
学校から帰ってすぐに取り組んだほうがよい子もいれば、少し休憩してからのほうが集中しやすい子もいます。
例えば、
- 帰宅後すぐ
- おやつの後
- 少し休憩した後
- 夕食前
など、いくつかの時間帯を試してみるのもよいでしょう。
ただし、長時間遊んでから宿題を始めると、今度は気持ちを切り替えにくくなる子もいます。
お子さんの様子を見ながら、毎日取り組みやすい時間を探してみてください。
宿題を始める前に必要なものを準備する
宿題を始めてから、
「鉛筆がない」
「消しゴムを探したい」
「教科書を持ってくる」
など、何度も席を立つと、それだけ時間がかかります。
宿題を始める前に、
- 宿題
- 教科書
- ノート
- 鉛筆
- 消しゴム
など、必要なものをそろえておくと、途中で作業が中断しにくくなります。
必要なものは普段からまとめて置いたり、毎日宿題をする前に準備をしてからはじめることを習慣にしたりするのもよいでしょう。
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宿題をする場所を見直す
テレビやおもちゃ、兄弟姉妹などが気になって何度も手が止まる場合は、宿題をする場所を見直してみるのも一つの方法です。
「宿題をやらない」と「宿題に時間がかかる」は違う
「宿題をやらない」と「宿題に時間がかかる」は、似ているようで悩みの内容が異なります。
「宿題をやらない」場合は、
- 宿題を始めない
- 遊びを優先してしまう
- 声をかけても取りかからない
など、宿題を始めるまでの部分に困っているケースが多いでしょう。
一方、「宿題に時間がかかる」場合は、宿題を始めることはできているものの、
- 問題を理解するのに時間がかかる
- 文字を書くのに時間がかかる
- わからない問題で手が止まる
- 途中で気が散ってしまう
など、宿題を始めた後に時間がかかっている状態です。
同じ「宿題の悩み」でも、原因によって必要な対応は異なります。
宿題をなかなか始めないことに悩んでいる場合は、こちらの記事も参考にしてください。

「集中できない」ことだけが原因ではない
宿題に時間がかかる原因は、集中力だけではありません。
問題を理解することや、文字を書くこと、わからない問題で手が止まることなど、さまざまな理由があります。
そのため、「集中力がない」と決めつける前に、どこで時間がかかっているのかを見ることが大切です。
家で勉強に集中できないことについて詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてください。

何分かかるのが普通?
宿題にどのくらい時間がかかるのが普通かは、学年や宿題の内容によって異なります。
そのため、単純に「○分以上なら問題」とは言えません。
ただし、毎日極端に長い時間がかかっていたり、特定の教科だけ著しく時間がかかったりする場合は、一度学校での様子を聞いてみるのもよいでしょう。
毎日宿題に長い時間がかかる場合は学校に相談することも
宿題に時間がかかること自体は、必ずしも問題があるということではありません。
その日の疲れや体調、宿題の内容によって、いつもより時間がかかることもあります。
しかし、
- 毎日かなり長い時間がかかる
- 特定の教科だけ極端に時間がかかる
- 宿題のたびに親子で大きなストレスになっている
- 学校での学習についても気になることがある
といった場合には、担任の先生に相談してみるのも一つの方法です。
家庭では「宿題に時間がかかる」と感じていても、学校ではスムーズに学習に取り組んでいる場合もあります。
反対に、学校でも同じような場面で時間がかかっていることがあるかもしれません。
学校での様子を聞くことで、家庭だけではわからなかったことが見えてくる場合もあります。
一人で悩まず、必要に応じて学校の先生に相談してみるとよいでしょう。
まとめ|「早く終わらせる」より、時間がかかる理由を知ろう
小学生の宿題に時間がかかる理由は、子どもによってさまざまです。
問題を理解するのに時間がかかることもあれば、文字を書くことに時間がかかることもあります。
また、わからない問題で手が止まったり、一つひとつを丁寧にやりすぎたりして、なかなか宿題が終わらないこともあるでしょう。
宿題が遅いと、つい、
「早くしなさい」
「まだ終わらないの?」
と言いたくなることもあります。
しかし、まずはお子さんがどこに時間をかけているのかを見ることが大切です。
「問題を理解するのに時間がかかっているのかな?」
「書くことに時間がかかっているのかな?」
「わからない問題で止まっているのかな?」
と、途中の様子を見ることで、お子さんに合った対策を考えやすくなります。
「早く終わらせること」だけを目標にするのではなく、まずは時間がかかっている理由を知ることから始めてみてください。


