「自主学習の宿題が出たけれど、ノートに何を書けばいいの?」
「テーマは決まったけれど、どうやってまとめればいいかわからない」
「子どもに任せたいけれど、つい親が手を加えてしまう……」
小学生の自主学習について、このように悩んでいる保護者の方もいるのではないでしょうか。
自主学習は、子どもが自分で学ぶ内容や方法を考える大切な学習です。
しかし、特に低学年のうちは、「自由にやっていいよ」と言われても、どのようにノートにまとめればよいのかわからないことがあります。
そこで今回は、小学校教員として子どもたちの学習を見てきた経験をもとに、自主学習ノートの基本的な書き方や、見やすくまとめるコツを紹介します。
実際の小学生のノートではありませんが、記事内では筆者が作成した自主学習ノートの例も紹介します。
「自主学習って、ノートに何を書けばいいの?」と迷ったときの参考にしてください。
小学生の自主学習ノートは何を書けばいい?
自主学習ノートには、決まった書き方があるとは限りません。
学校や担任の先生によって、日付やめあて、振り返りなどの書き方が決められている場合もあるので、まずは学校から出されているルールを確認しましょう。
そのうえで、自主学習ノートには、
- 日付
- 学習するテーマ
- めあてや疑問
- 調べたこと・練習したこと
- わかったこと
- 感想や振り返り
などを書くと、学習した内容を整理しやすくなります。
ただし、毎回すべてを書く必要はありません。
例えば漢字の練習なら、日付と練習する漢字を書いて取り組むだけでもよいでしょう。
一方、調べ学習なら、
「なぜ調べようと思ったのか」
「何がわかったのか」
「もっと知りたいことは何か」
などを加えると、学習の内容がより伝わりやすくなります。
☆教員目線のポイント☆
自主学習では、「ノートを1ページきれいに埋めること」だけを目標にしなくても大丈夫です。
大切なのは、そのノートを見たときに「何を学習したのか」がわかること。
特に低学年のうちは、きれいなノートを作ることよりも、まずは自分で考えたことを書いたり、調べたことをまとめたりする経験を大切にしたいところです。
自主学習ノートの基本的な書き方
「何を書けばいいかわからない」という場合は、次の順番で考えると取り組みやすくなります。
①日付を書く
まずは、ノートに日付を書きます。
毎日の学習記録として残しておくと、「この日に何を勉強したのか」が後から見てもわかります。
日付を書く場所を毎回決めておくと、ノートも整理しやすくなります。
②学習するテーマを書く
次に、今日何を勉強するのかを書きます。
例えば、
- 漢字の復習
- 九九の練習
- 都道府県を調べる
- カブトムシについて調べる
- 今日学校で習ったことをまとめる
などです。
「自主学習」というタイトルだけではなく、具体的なテーマを書くと、何について学習したのかがわかりやすくなります。
☆教員目線のポイント☆
テーマは長い文章にする必要はありません。
低学年なら、
「かん字」
「九九」
「アサガオ」
など、簡単なタイトルから始めても大丈夫です。
学年が上がってきたら、
「都道府県の特産品調べ」
「雨はなぜ降るのか」
など、学習する内容がわかるタイトルにしていくとよいでしょう。
③「何を知りたい・できるようになりたい?」を決める
調べ学習や苦手な問題の復習をするときは、「今日は何を知りたいのか」「何ができるようになりたいのか」を考えてみましょう。
例えば、
「漢字を正しく書けるようになる」
「○○県の特産品を調べる」
「なぜ雨は降ってくるのか調べる」
などです。
難しく考えず、一言で書いても構いません。
④調べる・練習する・考える
ここから実際の学習に取り組みます。
例えば漢字なら、
- 漢字を書く
- 読み方を調べる
- 熟語を集める
- その漢字を使った文を作る
などができます。
調べ学習なら、
- 本で調べる
- 図鑑で調べる
- インターネットで調べる
- 家族に聞く
など、いろいろな方法があります。
☆教員目線のポイント☆
ありがちなのは、調べた文章をそのまま書き写す自主学習です。
しかし、調べ学習では、調べたことをそのまま写すだけにならないようにすることがポイントです。
本やインターネットに書かれている文章をそのまま書くのではなく、
「これはつまりどういう意味?」
「自分が初めて知ったことは何だろう?」
と考えながらまとめると、学びが深まります。
低学年の場合は、文章を自分の言葉に直すことが難しいです。
その場合は、まず大切な言葉を書き出して、そこから自分なりにまとめる練習をするところから始めるとよいでしょう。
学年を重ねたときに理解力に格段に差が付きます。
⑤わかったことや間違えたところを書く
学習したら、「何がわかったのか」「どこができなかったのか」を確認します。
例えば算数の問題を間違えた場合は、
「繰り上がりを忘れていた」
「文章を最後まで読んでいなかった」
などです。
調べ学習なら「○○は△△からできていることがわかった」など、学んだことを書きます。
☆教員目線のポイント☆
その学習で重要なことがどこかを考える習慣をつけることで、何のためにその学習しているかを考えることができる力が育ちます。
⑥最後に振り返る
最後に、
- わかったこと
- できるようになったこと
- 難しかったこと
- 驚いたこと
- もっと知りたいこと
などを書きます。
長い文章を書く必要はありません。
「○○がわかってびっくりした」
「次は△△について調べたい」
という一言でも、自分の学習を振り返ることができます。
☆教員目線のポイント☆
自主学習では、「やって終わり」にしないことも大切です。
最後に少し振り返ることで、自分が何を学んだのかを確認できます。
特に調べ学習では、「もっと知りたいこと」を書いておくと、次の自主学習のテーマにつながります。
自主学習ノートの見本
ここでは、筆者が作成した自主学習ノートの例を紹介します。
実際の小学生のノートではありませんが、自主学習をどのようにまとめればよいのかをイメージするための例として参考にしてください。
【ここに筆者作成の自主学習ノート見開き画像】
例えば、調べ学習のノートなら、
- 日付
- テーマ
- 調べたいこと
- 調べた内容
- 図やイラスト
- わかったこと
- 感想・もっと知りたいこと
というように整理できます。
☆教員目線のポイント☆
自主学習ノートは、見開きいっぱいに文字を書かなければいけないわけではありません。
図や表を使ったり、重要な言葉を囲んだりすることで、何が大切なのかがわかりやすいノートになります。
「1ページを全部文字で埋める」ことよりも、学習した内容が整理されているかを意識してみましょう。
教員から見て「学びが伝わる」自主学習ノートとは?
自主学習ノートでは、きれいに書くことだけが大切なのではありません。
では、教員から見て「学習したことが伝わりやすいノート」とは、どのようなノートなのでしょうか。
調べたことをそのまま写していない
特に調べ学習では、本やインターネットに書かれている内容をそのまま長く写すだけの自主学習が目立ちます。
しかし、それでは自分が何を学んだのかがわかりにくくなります。
大切なところを選び、自分なりに整理してみましょう。
自分の言葉でまとめている
難しい言葉をそのまま書くのではなく、「つまりどういうこと?」と考えて、自分がわかる言葉でまとめてみましょう。
高学年では辞書を使って理解を深めることができます。
低学年なら、まずは知ったことを短い言葉で書くだけでも十分です。
「なぜ?」「どうして?」がある
「○○について調べた」で終わるのではなく、
「なぜ?」
「どうして?」
「もっと知りたい」
という疑問があると、学習をさらに広げることができます。
なぜその学習をしようと思ったのか、調べた後にさらに残った疑問は何なのかが整理できると学びが深まっていきます。
間違いや疑問も学習として残している
自主学習では、正しい答えだけを残す必要はありません。
「ここがわからなかった」
「この問題を間違えた」
「調べたけれど、まだよくわからない」
ということも、自分の学習を振り返る大切な材料になるとともに、次回のテーマ決めのヒントにもなります。
最後に振り返りがある
「今日わかったこと」や「もっと知りたいこと」を書くと、自分の学習を振り返ることができます。
そして、その振り返りが次の自主学習につながることもあります。
☆教員目線のポイント☆
自主学習ノートを見るときに、「どれだけカラフルか」「どれだけたくさん書いてあるか」だけが大切なのではありません。
その子が何を考えて、何を学んだのかが伝わることが大切です。
特に、「前に間違えた問題をもう一度解いてみた」「疑問に思ったことを調べてみた」など、子ども自身の学びが見える自主学習は、その後の学習にもつながりやすくなります。
自主学習ノートでやりがちな5つのこと
自主学習を頑張っているのに、「なんだか学習した感じがしない」という場合には、次のようなことがないか確認してみましょう。
①同じ漢字をひたすら書く
漢字の練習は大切ですが、ただ同じ漢字を何度も書くだけでは、意味や使い方まで身につきにくいことがあります。
熟語を集めたり、例文を作ったりする方法も取り入れてみましょう。
②教科書やインターネットをそのまま写す
調べ学習では特にありがちな方法です。
大切なところを選び、自分なりに整理することを意識してみましょう。
③色やイラストに時間をかけすぎる
ノートをきれいにすることは楽しいものです。
しかし、色塗りやイラストに時間を使いすぎて、学習する時間が少なくなってしまうのはもったいありません。
④文字を小さく詰め込みすぎる
「ノートを埋めなければ」と思うと、文字を小さくしてたくさん書こうとしてしまうことがあります。
読み返したときに、自分が何を書いたのかわかる大きさを意識しましょう。
⑤「1ページ埋める」ことが目的になる
自主学習では、「1ページ全部書いたから終わり」ではありません。
大切なのは、何を学んだのか、何を考えたのかです。
1ページに満たなくても、しっかり考えて学習できたのであれば、それも自主学習の一つの形です。
自主学習ノートは親がどこまで手伝う?
「自主学習のテーマが決まらない」「ノートに何を書けばいいかわからない」と子どもに相談されたら、親が一緒に考えてあげても構いません。
例えば、
「今日は漢字と算数、どっちにする?」
「動物と植物ならどっちを調べたい?」
など、いくつか選択肢を出してあげる方法があります。
ノートの構成についても、
「最初にタイトルを書いてみたら?」
「表にするとわかりやすそうだね」
など、アドバイスすることはできます。
ただし、親がテーマから内容まで全部決めてしまうと、「自主学習」ではなくなってしまうことがあります。
できるところは子ども自身に任せ、困っているところだけサポートするのがおすすめです。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。

☆教員目線のポイント☆
低学年の子にとって、「自主学習を全部一人で考える」というのは簡単なことではありません。
最初は親が一緒にテーマを考えたり、書き方を相談したりしても大丈夫です。
少しずつ、
「今日は何を勉強しよう?」
「どうやってまとめよう?」
と、自分で考えられるようになることを目指していきましょう。
自主学習ノートに何を書けばいいかわからないときは?
どうしてもテーマが思いつかないときは、次の5つから選んでみましょう。
①今日学校で習ったこと
今日の授業で習ったことをもう一度まとめてみます。
②前に間違えた問題
テストやドリルで間違えた問題を解き直します。
③興味のあること
好きな動物、スポーツ、食べ物など、自分が興味を持っていることを調べます。
④身近な「なぜ?」
「なぜ空は青いの?」
「なぜ氷は水に浮くの?」
など、普段の生活で疑問に思ったことを調べます。
⑤もっと知りたいこと
以前の自主学習で「もっと知りたい」と思ったことを、次のテーマにします。
「何をすればいいかわからない」というときは、こちらの記事も参考にしてください。
→ 小学生の自主学習は何をする?教員おすすめのネタ20選!
まとめ|自主学習ノートは「きれいに書く」より「自分で学んだことを残す」
小学生の自主学習ノートは、毎回決まった形で書かなければいけないわけではありません。
学校で書き方のルールがある場合は、それを優先しながら、
- 日付
- テーマ
- めあてや疑問
- 調べたこと・練習したこと
- わかったこと
- 振り返り
などを取り入れてみましょう。
また、タイトルや見出しをつけたり、図や表を使ったりすると、学習した内容が整理しやすくなります。
ただし、自主学習ノートは、きれいに書くことだけが目的ではありません。
「何を学んだのか」
「何を考えたのか」
「何がわかったのか」
「もっと知りたいことは何か」
が残っていることが大切です。
最初から子ども一人ですべてを考えるのが難しい場合は、親が一緒にテーマを考えても構いません。
少しずつ「今日は何を学ぼう?」「どうやってまとめよう?」と自分で考える経験を増やしていきましょう。
自主学習ノートを通して、「自分から学ぶって楽しい」と感じられるようになることが、何より大切なのではないでしょうか。


